ScientificConstants[AddElement] - 元素または同位体の定義の追加
使い方
AddElement( descriptor, opts )
パラメータ
descriptor - 名前、記号、元素の原子番号、同位体を表す構文。同位体を表す構文に関する記述は、Element を参照して下さい。
opts - (オプション) option=value の形の等式; ここで option は、'name', 'names', 'symbol', property_name のいずれか; 元素または同位体の定義のためのオプション指定。
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説明
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AddElement(descriptor, opts) コマンドは、ScientificConstants パッケージに元素または同位体の定義を追加します。
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opts 引数は、元素または同位体を指定する、1つまたは複数の以下の等式を含みます。
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このオプションは、元素の名前を定義します。またこのオプションは、同位体を追加する際にも使用が可能です。このオプションを指定しない場合には、International Union of Pure and Applied Chemistry (IUPAC) のテンポラリの名前が、その名前として割り当てられます。IUPACの協定に関する詳細な情報については、convert/iupac を参照して下さい。
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'names' = symbol または {symbol, symbol, ...}
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このオプションは、1つの元素に対して複数の名前を定義するために使用されます。このオプションを与える場合には、'name' オプションも与える必要があります。このオプションは同位体を追加する際には使用できません。
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'name' オプションで指定する元素名は、'names' オプションで指定する必要はありません。しかし、その元素名は自動的に 'names' の集合内に含められます。
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このオプションは、元素の記号を定義します。このオプションを同位体を追加する際に使用することはできません。このオプションを指定しない場合には、International Union of Pure and Applied Chemistry (IUPAC) のテンポラリの記号が、その記号として割り当てられます。IUPACの協定に関する詳細な情報については、convert/iupac を参照して下さい。
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property_name = numeric, numeric を評価する式, procedure, または ['value'=value_obj, 'uncertainty'=uncertainty_obj, 'units'=units_obj]の形式のリスト
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このオプションは、元素または同位体の許される特性を指定します。property_name は、任意の許される特性の名前を表します。元素および同位体の特性からなるリストについては、最初に与えられている元素および同位体の特性 を参照して下さい。複数の特性を指定するためには、複数の property_name の式を使用します。パッケージに許されない特性を指定するためには、AddProperty 関数を用いて、まずその特性を追加して下さい。
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property_name = numeric, numeric を評価する式, または procedure
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数、numeric 型を評価するような Element() オブジェクトを含む等式、あるいは手続きが指定されると、その値は特性 property_name の値として割り当てられます。特性の unit には 1 が割り当てられ、uncertainty には undefined が割り当てられます。
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property_name = ['value' = value_obj, 'uncertainty' = uncertainty_obj, 'units' = units_obj]
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リストが指定されると、等式 'value' が必要となり、'uncertainty' および 'units' の等式がオプションとなります。
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value_obj オプションは、特性の値を定義します。このオプションは、numeric 型、numeric 型を評価するような Element() オブジェクトを含む形、あるいは procedure 型のいずれかでなくてはなりません。
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'uncertainty' = uncertainty_obj
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uncertainty_obj オプションは、その特性が知られている精度を定義します。このオプションは、numeric 型、numeric 型を評価するような Element() オブジェクトを含む形、procedure 型、あるいは [uncer, uncertainty_opt] の形のリストのいずれかでなくてはなりません。このリストで、uncertainty_opt は 'relative' または 'uld' を表します。
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不確定性のオプション uncertainty_opt が含まれない場合には、その数値は、「絶対的な」不確定性を持つ特性として表されます。これは、その値が 'units' オプションで決められた単位で計測されていることを意味します。
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uncertainty_obj が [uncer, 'relative'] の形式である場合には、uncer は特性の値として、「相対的な」不確定性を持ちます。量 uncer*value_obj は、特性の「絶対的な」不確定性を持ちます。
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uncertainty_obj が [uncer, 'uld'] の形式である場合には、uncer は特性の値として、「最少数の単位による」不確定性を持ちます。量 uncer*SFloatExponent(value_obj) は、特性の「絶対的な」不確定性を持ちます。この不確定性の形式は、浮動小数点数でない数 value_obj と共に使用することはできません。
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'uncertainty' オプションが指定されない場合には、不確定性は undefined という状態になります。
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Element オブジェクトは、手続きによって定義された値または不確定性を持つ特性と共に、元素を参照することが可能です。このようなオブジェクトが( evalf, GetValue または GetError により)評価される際には、その値または不確定性は、保存された手続きを評価することで得られます。誤差は投げ返されます。結果は、必要な単位変換へ受け渡されます。
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さらに、Element オブジェクトで与えられた特性に関するパラメータが、評価される際に引数として手続きに受け渡されます。この場合、特性はパラメータ化されているといえます。
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手続きにより定義される特性を持つ元素を参照したり、またパラメータ化された特性を持つ、Element オブジェクトの構築および評価に関連する詳細な情報については、Element を参照して下さい。
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units_obj オプションは、特性の値あるいは不確定性が計測された単位を定義します。units_obj オプションは、Units[Unit] が単位として解釈する式か、Unit() 標準形のいずれかです。詳細な情報については、Units パッケージの概要 を参照して下さい。
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'units'=units_obj が指定されない場合には、units は 1 という単位になります。これはその特性が次元を持たないことを意味します。
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元素または同位体に関する特性は、AddElement コマンドで定義される必要はありません。ModifyElement を用いて後で定義することが可能です。
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例
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with(ScientificConstants):
AddElement( 120 ); #the IUPAC notation is used
GetElement( 120 );
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| (2.1) |
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AddElement( Ubn[297], atomicmass=[value=297.0, units=amu] );
GetIsotopes( element=Ubn );
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| (2.2) |
元素の特性に関する、保存された手続きの表示:
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interface(verboseproc=2):
GetElement( C, boilingpoint );
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6, boilingpoint = [value = (proc()
option `Copyright (c) 2002 Waterloo Maple Inc. All rights reserved.`;
if nargs = 0 then error "no boiling point at standard pressure,
access sublimation point with parameter 'sp'"
elif args[1] = 'sp' then 3915.
else error "incorrect parameters"
end if
end proc), uncertainty = undefined, units = K]
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interface(verboseproc=1):
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参照
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最初に与えられている周期表の元素, 最初に与えられている元素および同位体の特性, convert/iupac, 元素および同位体の概要, ScientificConstants パッケージの紹介, ScientificConstants[AddProperty], ScientificConstants[Element], ScientificConstants[GetElement], ScientificConstants[GetIsotopes], ScientificConstants[GetProperties], ScientificConstants[HasElement], ScientificConstants[ModifyElement], SFloatExponent, Units パッケージの概要
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