回帰 (Regression) のコマンド
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Statistics パッケージには、データ標本に対して、線形・非線形モデルの当てはめや、回帰解析のためのいくつかのコマンドがあります。当てはめに用いられるアルゴリズムは残差の二乗を最小にする、最小二乗法にのっとっています。
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線型モデルの当てはめ
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モデルのパラメータに関して線形な関数への当てはめに用いる様々なコマンドをご用意しています。例えば、a*t+b*t^2 というモデル関数はパラメータ a, b に関して線形ですが、独立変数 t に関しては非線形です。
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非線形モデルの当てはめ
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NonlinearFit コマンドは非線形モデルへの当てはめに用いることができます。a と b をパラメータ、x と y を独立変数としたモデル関数 a*x+exp(b*y) がその例です。
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その他のコマンド
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一般的な Fit コマンドは線形・非線形どちらのモデル関数への当てはめもできます。適切な回帰法が選択されます。
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OneWayANOVA コマンドは二群、あるいは多群を受け取り、標準的な一元配置の分散分析 (ANOVA) の表を構成します。
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回帰のコマンドを使って
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回帰のコマンドにはたくさんのオプションが用意されています。例えば weights はデータ標本に重みをつけることができますし、output は出力結果の形式を操作することができます。各コマンドに使えるオプションはそのコマンドのヘルプページに、さらに詳しいことは Statistics/Regression/Options にございます。
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回帰のコマンドで用いられているほとんどのコマンドは Numerical Algorithms Group (NAG) によって提供されている組み込みライブラリによって実装されています。計算は浮動小数によって行われます。ハードウェアかソフトウェア (任意精度) の浮動小数を指定できます。
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モデル関数とデータ集合は異なった方法で使用されます。完全な詳細は Statistics/Regression/InputForms をご参照ください。回帰のルーチンは主としてベクトルと行列を扱います。リスト (一元データのみ) や配列も利用でき、それらは自動的にベクトルや行列に変換されます。エラーメッセージを含む全ての出力はこれらのデータ型を使います。
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例
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独立変数 x と従属変数 y の値をもつベクトル X と Y を定義します。
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X := Vector([1.2, 2.1, 3.1, 4.0, 5.7, 6.6, 7.2, 7.9, 9.1, 10.3]):
Y := Vector([4.6, 7.7, 11.5, 15.4, 22.2, 33.1, 48.1, 70.6, 109.0, 168.4]):
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a と b を最小にするような値を探します。最小二乗法はモデル関数 a*t+b*exp(x) が使われたときエラーになります。
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Fit(a*x+b*exp(x), X, Y, x);
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| (6.1) |
次数 3 の多項式にこのデータを当てはめます
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PolynomialFit(3, X, Y, x);
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| (6.2) |
output オプションを用いて、二乗の残差和と標準誤差を出力するよう指定します。
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PolynomialFit(3, X, Y, x, output=[residualsumofsquares, standarderrors]);
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| (6.3) |
パラメータに関して非線形なモデル関数 a*x+exp(b*x) に当てはめます。
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NonlinearFit(a*x+exp(b*x), X, Y, x);
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| (6.4) |
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参考文献
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Draper, Norman R., and Smith, Harry Applied Regression Analysis, 3rd ed. New York: John Wiley & Sons, Inc., 1998.
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