implicitplot コマンドは、インプリシットに定義された曲面の 2 次元のプロットを計算します。デフォルトでは、直交座標における曲線が計算されます。

最初の呼び出し implicitplot(expr,x=a..b,y=c..d) において、式 expr は名前 x と y の式を成分として含んでいる必要があります。expr パラメータは、方程式の代わりに式でも構いません。この場合、方程式 expr = 0 がプロットされます。 範囲 a..b と c..d は、実定数に評価されるものでなくてはいけません。

第2の呼び出し implicitplot(f,a..b,c..d) においては、等式 f が手続きまたは演算子(2 つの引数のみを持つ) のみからなることを仮定してます。f パラメータも、等式の代わりに手続きまたは演算子でも構いません。この場合、方程式 f = 0  がプロットされます。 演算子記法を用いなくてはいけません。すなわち、パラメータを指定しないで手続き名を与え、範囲は等式ではなく単に a..b と c..d の形で与えなくてはいけません。

implicitplot は、プロットする関数を標本化してから最終的な像を構成するので、関数の不連続点を見つけることはできないでしょう。その代わりに、関数は不連続点をまたいで補間されることになります。

任意の追加の引数は、option = value の形の等式で指定されたオプションとして解釈されます。たとえば、オプション grid = [m,n] (ここで m と n は正整数) は、implicitplot が範囲 a..b と c..d のそれぞれについて等間隔の、寸法が m × n の格子上で作成される 2D 曲線であることを指定しています。デフォルトでは、寸法が 25 × 25 の格子が用いられるので、625 個の格子点が生成されます。残りのオプションは、plot で用いられているものと同じです。plot[options] のヘルプページを参照して下さい。

expr または f が、集合、または、リストである場合、その要素は同時にプロットされます。リストが与えられた場合、expr または f の要素に対応する要素をもつ、特定のオプションの値もリストで与えることになります。リストを値としてとることができるオプションは、つぎのものです。color, coords, grid, legend, linestyle, numpoints, style, symbol, symbolsize, thickness, transparency.

implicitplot を呼び出した結果は、プロットを表示するのに十分な情報を含む PLOT データ構造になっています。ユーザは、変数に PLOT 値を割り当て、それをファイルとして保存しておくことにより、これを読み込んで再表示させることができます。plot[structure] のヘルプページを参照して下さい。

コマンド with(plots,implicitplot) により、このコマンドの省略形の使用が可能になります。

with(plots):
implicitplot(x^2+y^2=1, x=-1..1, y=-1..1);

p:= proc(x,y) if x<y then x^2+y^2-2 else 2*x-y-1 end if end proc:
implicitplot(p, -2..2, -1..3);

implicitplot(r=1-cos(theta), r=0..2, theta=0..2*Pi, coords=polar);

implicitplot({x^2-y^2=1, y=exp(x)}, x=-Pi..Pi, y=-Pi..Pi);
implicitplot([x^2-y^2=1, y=exp(x)], x=-Pi..Pi, y=-Pi..Pi,
    color=[blue, green], legend=[plot1,plot2]);