このコマンドは DifferentialAlgebra パッケージの一部です。with(DifferentialAlgebra) コマンドの実行後に Is(...) の形式を使用して呼び出すことができます。また、DifferentialAlgebra[Is](...) の形式を使用して直接呼び出すことも可能です。

関数の呼び出し Is(keyword, ring_or_ideal) は、ring_or_ideal で表される微分環またはイデアルに関する多数のクエリーに対し、 true または false を返します。引数が 3 つの場合、呼び出し Is(keyword, other, ring_or_ideal) は、other に関して true または false を返し、微分環またはイデアル ring_or_ideal を枠組みとして持ちます。

引数を指定せずに Is を呼び出すことにより、導入された keywords を Maple ワークシート / ドキュメントの中で直接表示することができます。その場合、以下のように表示されます。

DifferentialAlgebra:-Is();

keyword のスペルを誤った場合、または、keyword の一部のみが渡される場合、既存のキーワードに対して一致検索が実行されます。一致結果が 1 つだけの場合は画面に警告メッセージが表示され、その一致結果を望ましいキーワードとみなして計算を続行します。一致結果が複数ある場合は、複数の一致候補がエラーメッセージの中に表示されます。

最後の引数はかならず DifferentialRing で作成された微分環、または、RosenfeldGroebner, ChangeRanking および Tools[PretendRegularDifferentialChain] のいずれかで作成されたイデアル となります。

微分イデアルの計算に使用される微分環は微分イデアルに埋め込まれているため、微分環が期待されるすべてのケースにおいて、代わりに微分イデアルを渡すことが可能であり、埋め込み微分環が使用されることになります。

キーワード

注意：以下のすべての keywords について、微分環が最後の引数になるものと期待される場合、微分イデアルを渡すことも可能です。その場合、埋め込み微分環が使用されます。

arbitrary, dependentvariable および independentvariable：渡された微分環の中で対応する型の変数が other である場合に true を返します。 

autoreduced, coherent, differential, normalized, prime, primitive, squarefree：これらはすべて微分イデアル属性として可能なものです。そのため、Is は、渡されたイデアルが 1 番目の引数の keyword として示された対応する属性を有する場合に true を返します。イデアルが微分鎖のリストの場合、Is は、すべての微分鎖(各微分鎖が単一のイデアルとみなされます)が問い合わされた特性を有する場合に限りtrue を返します。

derivative:：渡された微分環の従属変数の導関数が other がである場合に true を返します。

differentialring, ideal および regulardifferentialchain：ring_or_ideal が微分環、微分イデアル、または regular differential chainである場合に、それに応じて true を返します。

orthonomic：ideal が一般的な意味において orthonomic である場合、すなわち、すべての微分鎖が 最高次の導関数(leading derivatives) において一次である 素数(prime) イデアルの場合に true を返します。オプション definition = strict を渡すことにより、さらに要素の イニシャル(initials) が 等式(equations) の基礎体に帰属する場合、イデアルは orthonomic とみなされます。

reduced：微分多項式または微分多項式のリストが、少なくとも 1 つの導関数に依存するとともに整数係数を有する必要がある微分多項式の別のリストの各要素に関して完全に簡約されている場合に、true を返します。関与するすべての微分多項式は 微分環の要素とみなされます。微分多項式  が以下を満たすとき、簡約はそれぞれ full, partial または algebraic となります。

algebraic：微分鎖の各最高次の階数  について、 は  内で  次未満となります。

partial：微分鎖の各最高次の導関数  について、v の適切な導関数は  内で発生しません。

full：微分鎖の各最高次の階数  について、 の適切な導関数は  内で発生せず、さらに、 は  内で  次未満となります。 

オプションとして、左辺がこれらの 3 つのキーワードのいずれでかである reduction = ... を渡すことにより、それに対応するテストが実行されます。

さらに、 Is は and, or, xor, satisfies および not のいずれかの演算子、および、それに対応するブール関数 And, Or, Xor, Satisfies および Not を含む ブール(boolean)クエリーを処理します。たとえば、Is(normalized and orthonomic, ideal) のような形です。

with(DifferentialAlgebra):

R := DifferentialRing(derivations=[x, y], blocks=[[v, u], q(), p(x)], arbitrary = p);

Is(arbitrary, q, R);

Is(arb, p, R);

Is(dependentvariable, q, R);

Is(dependentvariable, p, R);

Is(independentvariable, p, R);

Is(ind, x, R);

Is(derivative, diff(p(x), x), R);

Is(derivative, Diff(q, x), R);

R := DifferentialRing(derivations = [x], blocks = [u]);

ideal := RosenfeldGroebner([u[x]^2-4*u], R);

Is(prime, ideal);

map2(Is, prime, ideal);

Is(normalized, ideal[1]);

Is(normalized or prime, ideal[1]);

Is(normalized and prime, ideal[1]);

Is(normalized and orthonomic, ideal[2]);

dp := [u[x,x], u[x]^3, u[x]];

Is(reduced, dp, ideal);

map2(Is, reduced, dp, reduction=partial, ideal);

map2(Is, reduced, dp, reduction=algebraic, ideal);

map2(Is, reduced, dp, [u[x,x], u[x]^2-4*u], R);

map2(Is, reduced, dp, [u[x,x], u[x]^2-4*u], R, reduction = algebraic);