ScientificConstants の詳細
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説明
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ScientificConstants パッケージ内では、ScientificConstants オブジェクトという用語は、物理定数について適用される Constant 関数から返されるオブジェクト、または特性および周期表の元素(あるいは同位体)について適用される Element 関数から返されるオブジェクトを意味します。
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以下の節に、ScientificConstants パッケージで利用可能な物理定数および元素の機能に関する概略を示します。物理定数と元素(あるいは同位体)を受け付ける、関数のサブセットが用意されています。しかし、いくつかの関数は物理定数だけに使用され、また他の関数のいくつかは元素および同位体に関してのみ使用されます。
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物理定数
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物理定数の値を得たり、表現したりするためには、Constant コンストラクタを使用します。例えば、光速(通常記号 c で表現される)は次の通りです:
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with(ScientificConstants):
Constant( c );
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| (2.1) |
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ScientificConstants パッケージ内で最初に与えられている物理定数の一覧については、 最初に与えられている物理定数 を参照して下さい。
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ScientificConstants オブジェクトの値を得るためには、物理定数のオブジェクトと共に GetValue または evalf 関数を使用します。
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GetValue( % ), evalf( % );
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| (2.2) |
| (2.3) |
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前述の物理定数のオブジェクトは、単位系の参照を行わずに構成されています。これに評価を行うと、現在の単位系におけるその物理定数の値が返されます。現在の単位系を調べる方法についての詳細な情報は、Units[UsingSystem] を参照して下さい。異なる系で物理定数の評価を行いたい場合には、まずUnits[UseSystem] を用いて単位系の変更を行って下さい。
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>
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Units:-UseSystem( CGS );
GetValue( %%% ), evalf( %%% );
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| (2.4) |
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ScientificConstants オブジェクトの単位を含む単位オブジェクトを得るためには、GetUnit 関数を使用します。単位オブジェクトに関する詳細な情報については、Units[Unit] を参照して下さい。
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| (2.5) |
| (2.6) |
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Units:-UseSystem( SI );
GetUnit( %% );
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| (2.7) |
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再び、前述の物理定数のオブジェクトは、単位系の参照を行わずに構成されています。これにより、現在の単位系におけるその単位が返されます。
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ある物理定数のオブジェクトを常に特定の単位系で評価するように構成するためには、'system' オプションを使用します。
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Constant( c, system=FPS );
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| (2.8) |
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evalf( % ),GetUnit( % );
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| (2.9) |
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前述の物理定数のオブジェクトは、添え字表記で表示される評価の単位系を持つことに注意して下さい。
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'units' オプションを用いることで、物理定数のオブジェクトに適切な単位オブジェクトを掛け合わせます。これは、標準単位系 環境で使用されます。
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| (2.10) |
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evalf 関数は、単位を持つオブジェクトの評価に使用されなくてはなりません。
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| (2.11) |
>
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Constant( c, system=FPS, units );
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| (2.12) |
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'units' オプションが指定され、さらに 'system' オプションが指定されない場合には、現在の系が使用されます。
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厳密な値である c とは違い、ほとんどの ScientificConstants オブジェクトには、不確定性(uncertainty) または「誤差」("error") が伴います。これらには、その値が実験により計測されたことから生じる、精度の限界があることを示しています。例として、重力定数(通常 G で表現される)が挙げられます:
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| (2.13) |
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GetValue( % ), GetError( % );
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| (2.14) |
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ScientificConstants オブジェクトに対して返される誤差は、constant type となり、絶対的な(相対的でない)形式となります。すなわちその大きさは、単位系に依存しています。不確定性に関する詳細な情報については、GetError を参照して下さい。
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ある物理定数では、undefined (未定義)という誤差が返されます。これは、代表値の数字に誤差が含まれていることを示しています。
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ScientificConstants パッケージ内にある物理定数に関する情報を表示するためには、GetConstant 関数を使用します。
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| (2.15) |
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物理定数は、そのフルネーム(列の中の最初の項目)または記号で識別されます。その名前は Constant コンストラクタ内で使用が可能ですが、その定数の簡単な記述として使用するのが最も一般的です。
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ScientificConstants パッケージ内にある物理定数を一覧表示するためには、GetConstants 関数を使用します。
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| (2.16) |
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GetConstants( names ):
%[1..5];
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| (2.17) |
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パッケージ内に存在しない物理定数は、AddConstant 関数を用いて追加が可能です。 例として、月の質量を追加します。
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AddConstant( Moon_mass, symbol=M[Moon], value=7.35e22, units=kg );
evalf( Constant( M[Moon] ) );
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| (2.18) |
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evalf( Constant( M[Moon], system=FPS ) );
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| (2.19) |
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ModifyConstant( Moon_mass, symbol=M[M] );
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>
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ModifyConstant( M[M], value=7.35e22, units=kg, uncertainty=0.005e22 );
GetConstant( M[M] );
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| (2.20) |
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導出される 物理定数は、他の物理定数で定義されます。たとえば、つぎの例があります。:
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| (2.21) |
| (2.22) |
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導出される物理定数は、通常の方法で、構成され検索されます。
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| (2.23) |
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GetValue( % ), GetError( % ), GetUnit( % );
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| (2.24) |
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10 より大きい有効数字で決定される値を持つ物理定数もあります。そのため、これらの値に、Digits のデフォルト設定でアクセスすると、精度が失われてしまう可能性があります。 より精度を上げるには、Digits を、たとえば15のように、より大きい値に設定します。
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周期表の元素
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周期表の元素に関する特性の値を得たり、表現したりするためには、Element コンストラクタを使用します。例えば、ナトリウムの原子量は次の通りです:
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Element( Na, atomicweight );
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| (3.1) |
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ScientificConstants オブジェクトの値を得るためには、元素のオブジェクトと共に GetValue 関数または evalf を使用します。
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GetValue( % ), evalf( % );
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| (3.2) |
| (3.3) |
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前述の元素のオブジェクトは、単位系の参照を行わずに構成されています。これに評価を行うと、現在の単位系におけるその特性の値が返されます。現在の単位系を調べる方法についての詳細な情報は、Units[UsingSystem] を参照して下さい。異なる系で元素の評価を行いたい場合には、まずUnits[UseSystem] を用いて単位系の変更を行って下さい。
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>
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Units:-UseSystem( CGS );
GetValue( %%% ), evalf( %%% );
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| (3.4) |
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ScientificConstants オブジェクトの単位を含む単位オブジェクトを得るためには、GetUnit 関数を使用します。単位オブジェクトに関する詳細な情報については、 Units[Unit] を参照して下さい。
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Element( Na, atomicweight );
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| (3.5) |
| (3.6) |
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Units:-UseSystem( SI );
GetUnit( %% );
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| (3.7) |
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再び、前述の元素のオブジェクトは、単位系の参照を行わずに構成されています。これにより、現在の単位系におけるその単位が返されます。
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ある元素のオブジェクトを常に特定の単位系で評価するように構成するためには、'system' オプションを使用します。
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Element( Na, atomicweight, system=Atomic );
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| (3.8) |
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evalf( % ),GetUnit( % );
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| (3.9) |
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前述の元素のオブジェクトは、添え字表記で表示される評価の単位系を持つことに注意して下さい。
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'units' オプションを用いることで、元素のオブジェクトに適切な単位オブジェクトを掛け合わせます。これは、標準単位系 環境で使用されます。
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>
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Element( Na, atomicweight, units );
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| (3.10) |
| (3.11) |
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Element( Na, atomicweight, system=Atomic, units );
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| (3.12) |
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'units' オプションが指定され、さらに 'system' オプションが指定されない場合には、現在の系が使用されます。
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いくつかの元素については、大多数の元素とは異なる条件下で特性の値が定義されます。このような場合、Element コンストラクタは、関連する特性の値がどのようなものかを示すエラーを返します。例えば、沸点の特性に対する条件である標準圧力においては、 炭素は液相を持たないために、沸点がありません。
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Element( C, boilingpoint );
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Error, (in ScientificConstants:-Element) no boiling point at
standard pressure, access sublimation point with parameter
'sp'
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パラメータ sp と共にコンストラクタを使用すると:
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Element( C, boilingpoint(sp) );
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| (3.13) |
| (3.14) |
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多くの元素の特性は、(前の節で示した物理定数のように)「誤差」を伴います。例として、前述のナトリウムの原子量が挙げられます:
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>
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GetError( Element( Na, atomicweight ) );
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| (3.15) |
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ある特性では、undefined (未定義)という誤差が返されます。これは、代表値の数字に誤差が含まれていることを示しています。
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ScientificConstants オブジェクトに対して返される誤差は、numeric type となり、絶対的な(相対的でない)形式となります。すなわちその大きさは、単位系に依存しています。不確定性に関する詳細な情報については、GetError を参照して下さい。
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ScientificConstants パッケージ内にある元素に関する情報を一覧表示するためには、GetElement 関数を使用します。
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| (3.16) |
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元素は、原子番号(前述の列の最初の項目)、記号、名前で識別が可能であることに注意して下さい。例えば、Element コンストラクタでは、任意の識別子が使用可能です。
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ScientificConstants パッケージ内にある元素を一覧表示するためには、 GetElements 関数を使用します。
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| (3.17) |
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GetElements( output=names ):
%[30];
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| (3.18) |
| (3.19) |
| (3.20) |
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定数と同様に、元素に関する情報は、拡張および修正が可能です。例として、元素の名前を変更します:
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| (3.21) |
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ModifyElement( Au, name=aurum );
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同位体
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ScientificConstants パッケージ内では、isotope syntax を用いて同位体の指定を行います。この構文は、元素の原子番号、記号、または名前と、同位体の質量数から構成されます。例えば、lead-204 同位体(質量数 204)を表す有効な同位体の構文は、[82,204], Pb[204], lead[204], Pb204 および lead204となります。前節で元素のために使用された関数は、同位体にも使用されます。
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| (4.1) |
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Element( Pb[204], atomicmass );
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| (4.2) |
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ScientificConstants パッケージにある元素の同位体を一覧表示するためには、 'element'=elem オプションと共に GetIsotopes 関数を使用します。
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GetIsotopes( element=Pb );
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| (4.3) |
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受け付けられる同位体の特性の名前を一覧表示するためには、'isotopic' オプションと共に GetProperties 関数を使用します:
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GetProperties( isotopic );
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| (4.4) |
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参照
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同上演算子(%), ScientificConstants パッケージの応用例, 最初に与えられている周期表の元素, 最初に与えられている物理定数, 最初に与えられている元素および同位体の特性, evalf, 周期表の元素および同位体の概要, 基礎的な物理定数の概要, ScientificConstants パッケージの紹介, ScientificConstants[AddConstant], ScientificConstants[AddElement], ScientificConstants[AddProperty], ScientificConstants[Constant], ScientificConstants[Element], ScientificConstants[GetConstant], ScientificConstants[GetConstants], ScientificConstants[GetElement], ScientificConstants[GetElements], ScientificConstants[GetIsotopes], ScientificConstants[GetError], ScientificConstants[GetProperties], ScientificConstants[GetUnit], ScientificConstants[GetValue], ScientificConstants[ModifyConstant], ScientificConstants[ModifyElement], ScientificConstants References, ScientificErrorAnalysis and ScientificConstants, 標準単位系環境, Units[Unit], Units[UseSystem], Units[UsingSystem]
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